装画コンペ

そもそも、私が最初の装画の仕事をいただいたきっかけは、鈴木成一装画イラストレーション塾へ行ったことでした。

その装画イラストレーション塾では、時々受講生を対象に、実際出版される書籍の装画のコンペを開いています。

 

今回は受講生以外のイラストレーターにも対象を広げた、河出書房新社が出版する新人作家の作品のPRも兼ねての企画で、デビューに力が入っているだけあってたいへん読みやすく面白く新しい感覚の小説でした。

 

結果は落選だったんですが。

発売前の、というかデビュー前の新しい作家の誕生に立ち会えたようで、面白い経験でした。

たぶんコンペの様子はこれから何かの形で河出書房新社から公開されると思います。

どんどん宣伝してください。ということでしたので、及ばずながら。

 

 で、私の描いた装画はこれでした。

微妙な距離の主人公と血の繋がらない兄、そして二人の暮らす街。

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またイラストレーションの仕事

装画を描いた本が、5月18日に発売になります。

「永遠の道は曲がりくねる/宮内勝典」

河出書房新社です。

 

ずっしりした文学作品で、戦争に翻弄され抗い傷を負った人々の歴史を、悲惨で暗いだけではない、過去から未来へ続く人間の営みとして俯瞰的に見つめたようなスケールの大きさに、読んでいて引き込まれました。

 

下のカバー全体の写真のように、登場人物を賑やかに折り返しまで並べています。

重いテーマではあるけれど暗くならないように、という依頼でしたが、描いても描いても作品の存在感に追いつけないような気がして何度も描きなおしました。

発売が楽しみです。緊張しています。

 

 

 

 

 

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イラストレーションの仕事

あっという間に4月です。

2月にイラストレーションの仕事を二つ立て続けにいただきました。

3月にそれが形になって書店に並びました。

イラストの仕事、しかも書籍の装画と雑誌の挿絵、憧れの仕事ができて嬉しいです。

 

挿絵の方は、「野生時代」新連載小説の笹本稜平「指揮権発動」の扉絵です。

アフガニスタンのカブールで起きた、テロと思われていた邦人殺人事件の謎を検察官が追うというスケールの大きな社会派ミステリ。3月12日発売の野生時代4月号から一年間の予定です。

 

 

装画は、講談社から3月14日発売されました。「凜」蛭田亜紗子。

現代のいろいろ屈託を抱えた就活生の女の子が、旅先で偶然、大正時代の北海道のタコ部屋労働と遊郭の過酷で残酷な記録に出会ったことでまた自らの人生を捉え直す、というような長編小説で。

タコ部屋と遊郭の過酷な描写が強烈なんですが、そこに生きる人たちの意思や覚悟に引き込まれて一気に読みました。

魅力のある小説だと思います。装画が、その魅力を伝えるお役に立てたらうれしいです。

 

 

 


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あけましておめでとうございます

ことしもよろしくおねがいします。

年賀状のニワトリ、ちぎり絵です。初めてやってみました。

コピー用紙の半端なのに赤と黒と黄色のマジックで色塗ってちぎりました。数字はカレンダーの休日の赤い数字をちぎってます。

 

初詣のおみくじは大吉でした。やったー!と喜びながら読んでたら続きが

「願い事首尾よく叶うしかし油断すれば破れる」

と、油断しまくりな日常をお見通しで怒られたみたいな結末でした。

ごめんなさい。もっとがんばります。なるべく。

 

twitterの方にも書きましたが、今年は楽しみな展覧会がたくさんあります。

 

鈴木春信(千葉市美術館)

河鍋暁斎(Bunkamura)

清宮質文(館林美術館)

長沢節(弥生美術館)

ミュシャ(国立新美術館)

雪村(東京藝術大学美術館)

オルセーのナビ派(三菱一号館美術館)

吉田博(東郷青児記念美術館)

長沢芦雪(愛知県美術館)

 

 

 

 

 

 

今年も、面白い事にたくさん出会いたいです。

 

 

 

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My Favorite Things ポスター展に参加しました。

11月28日から12月3日、千駄ヶ谷ランドリーグラフィックスギャラリーのMy Favorite Thingsポスター展に参加しました。

昨年に続いて二度目です。

 

今回は、小島麻由美さんのライブのためのポスターです。

デザイナーは中村欽太郎さん。

小島さんの歌の、ノスタルジックでキュートな感じ、昭和の歌謡曲やジャズの雰囲気が出せたらいいねということで、昭和なビル街と、踊る女の子と、飛行船を、という中村さんのオーダーで何点か描いて提出したら、驚くほど渋くてカッコイイポスターが出来上がりました。この驚きが楽しい。

 

 

写真は展示のようす。右がポスター、左はイラストレーターの自由作品で「お気に入り」をテーマに。

私はクリスマスイルミネーションを描きました。

寒いのも夜が長いのも人混みも、いつもは苦手なんですが、

この時期だけは好きになります。

 

 

 

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今年の秋は短かった、ついこの間まで半袖Tシャツで汗かいてたのに、いきなりセーターとこたつの気温になった気がします。

夏と冬の間がほとんどなかったみたいで寂しい。

秋の風景描きました。

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装画習作

好きな小説の装画、ということで。

最近読んで印象が強かった短編、シオドア・スタージョン「輝く断片」を描いてみました。

 

大怪我で瀕死の女性を拾って助ける孤独な男の話。

グロテスクなホラーのようだけどそうじゃなくて。献身的な愛の奇跡のようだけどそうじゃなくて。

出口のないような孤独感の中で見つけた「輝く断片」の悲痛さ。

なんでこんなに鮮やかに書けるのかなと思いながら読みました。

怖くならないように、甘くならないように、と思いながら描きました。

 

描いてから思いついてスタージョンの顔検索して、こんな長い顔のおじさんだったんだ面白いなと思いながらついでにスケッチしました。好きで長く読んでても作家の顔ってけっこう知らない。これから気にしてみよう。


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好きな人の肖像 5

まだ続きます。

 

ちあきなおみです。

私の世代だとリアルタイムで知ってます。

色っぽい大人の歌謡歌手でした。

覚えているけど、子供だったからそんなに好きというわけでもなく。

 

その後、たぶんモノマネや、志村けんの番組で使われてた「夜に急ぐ人」なんかで、強烈な人だという印象ばかり強くなって。

その後CMに使われてた「星影の小径」でこんな柔らかい表現もできる人だったんだと遅ればせながら気がついて。

それからけっこう聴きました。

オリジナル曲もいいけど、この人カバー曲がすごい。

この歌ってこんなにいい歌だったっけ!?と驚いてオリジナル聴き直すとやっぱりそうでもない。ってことがわりとあります。

ピアニッシモからフォルテッシモまで自由自在な歌唱表現を持ってる人なんだと思います。

昔はそのフォルテのところだけの印象が強かったんだ。

 

もう引退してずいぶん経つけど、今ならどんな曲をどんな風に歌ってくれたのかと、たまに想像します。

聴きたいなあ。聴けないのが残念だなあ。

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ペーターズコンペ

原宿のペーターズギャラリーのコンペに出した作品から。昼の人々と夜の人々。

 

人を描くことがテーマのコンペなのです。

ずいぶん前に何度か応募して、しばらく出してなくて、またここ3年くらい応募してました。

人をテーマに描くっていうのが苦手な意識があって、ダメかな、やっぱりダメだったな。みたいな数年。

 

今年も賞には届きませんでしたが、鈴木成一さんの最終選考に残って、結果発表に名前だけ載りました!

自分としては、やったーとガッツポーズです。

人を描くの楽しいぞ。とか思えてきて。

単純ですね、すぐ調子にのる。

調子にのって、その調子で。頑張ろうと思います。

 


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好きな人の肖像 4

森茉莉です。

 

この人の2冊のエッセイ「私の美の世界」「贅沢貧乏」の妄想力というか、つつましいアパート暮らしのひとつひとつのお気に入りの物を強引に自分の優雅で豪奢な美意識に染めてしまう感覚、しかもそれを客観的に、おかしな婆さんである自分を含めて、やや辛辣にユーモラスに描くセンスが大好きです。

 

今流行りの「丁寧で上質でシンプルで豊かな生活」と混同されがちだけど違うんです。正反対かもしれない。

混沌とした生活感のあるごちゃごちゃの中に、うっとりと自分の好きな世界を紡いで暮らしているような、たいへんたくましい妄想力に憧れます。

私も「丁寧で上質」よりも「混沌の妄想」の方ががずっと好きです。

 

じつはエッセイは好きなのに小説の方は読んでないんですが。

海外映画俳優二人のプライベートスナップ写真か何かを見て妄想して描いた耽美で華麗な同性愛小説らしく、なんだか今のBL腐女子の元祖みたいと思ってしまいます。(ファンの方に怒られるかな。)

 

そんなところも、十代の少女の、飛躍しがちな妄想力をもったままで磨きをかけて年を重ねたようで、すごい人だと思います。

 

住んでいる街を背景にしたスナップ写真みたいな普段着の肖像写真の、ちょっと居心地の悪そうな表情が少女っぽくていいなと思って描きました。

 

 

 

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好きな人の肖像 3

鈴木いづみです。

70年代にデビューしたSF作家ですが、ポルノ女優だったことがあったり、阿部薫との結婚生活が伝説になっていたり、最後は自殺していたり、エキセントリックでスキャンダラスなイメージが濃く残っている人です。

 

でも私は、この人の作品の、少女趣味というか、美しくなくて生きにくい世の中にずっと悪態ついてるような女の子の視線が好きで。

70年代の「女と女の世の中」で息苦しいフェミニズムのディストピアからはみだす少女や、80年頃の「恋のサイケデリック!」で豊かで人工的で悪趣味な都会で生きる女の子や男の子達の、軽薄で悲痛な明るい絶望が好きです。

 

数年前に全集が刊行されて、手に入りにくかった作品や、雑誌に載ったまま本になってなかった対談やエッセイがまとめられて読めるようになりました。

それがきっかけで再読して、二十歳前後にさんざん読んで影響された感覚を思い出しました。

 

昔好きだった本は懐かしいけど今はちょっと違うっていうのも多いんですが。

この人は今でも好きです。

 

 

 

 

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好きな人の肖像 2

米津玄師です。

まだ25歳のシンガーソングライター。ファンです。

 

そもそも6年くらい前に、娘とカラオケに行きまして。

娘が「パンダヒーロー」とか「マトリョシカ」とか歌うのを聴いて、へー面白いもん流行ってるのね、ボカロPっていうの、なにそれと興味持って。

その歌と動画を作ったハチという人の名前を覚えました。

ボーカロイドという人工音声のシンセサイザーで自作の歌を歌わせて動画サイトに上げるアマチュアの人たちがたくさんいて、その中でも当時高校生のハチさんは人気がありました。(いろんな歌や動画の玉石混交具合が面白くて、その後しばらく、よくニコ動なんかでボカロ曲聴いてました)

 

それからまた3年後くらいに、米津玄師というちょっと変わった名前をyoutubeで見て「ゴーゴー幽霊船」という不思議なイラストのMVの歌を聴いて、あのボカロPのハチさんだったのかと知って興味持ってからじりじりはまって、アルバム出るたびに買って、ライブも行ったりして現在に至ります。

 

音楽も、繊細で不思議な絵も、細長くて骨ばってて手と口が大きい見た目も好きです。

今、日本のミュージシャンの中で一番好きかも。

 

 

 

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好きな人の肖像 1

 

新選組!の山南さん以来、好きな俳優は?と聞かれたら、堺雅人です。と答えることにしています。

 

優しい微笑みの好青年に見えて、けっこう変幻自在の変顔したり、ものすごくマイペースなエピソードがあったり、相当変な人なんじゃないかと。

じつは作品はそんなに見てないんですが、本は買って持ってます。そういうファンです。

 

堺雅人が演じた役の中で一番好きなのが「リーガルハイ」の小美門研介で。

あの強烈で奇妙で性格悪くてやたらと饒舌な悪徳弁護士、なのに最後はその弁舌で感動させてヒーローになるとんでもない役は堺雅人の魅力満載ではないかと思ってます。

あの横分け変顔も描いてみたかったけど堺雅人に見えなくなりそうで諦めました。

 

にっこり笑うのを抑えて口にきゅっと力が入ってるみたいな微笑がやはり一番この人らしい表情。

 

真田丸も今一番楽しみなドラマで。

今はまだ強烈な戦国武将達の傍観者の役割で、存在感がかすみがちな主人公ですが、今見ているものを背負ってこれから関ヶ原以降の物語の中心になって行くんだろうと、どんな堺雅人が見られるのか、期待しています。

 

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好きな人スケッチ

脈絡なく、とにかくまあ思いついた好きな人の顔をスケッチしています。

鈴木いづみ、尾崎翠、シャーリーマクレーン、森茉莉、ちあきなおみ。

 

あの人もこの人も、といろいろ描いてみたくなってるので、もう少し続く。はず。

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新しい年

新しい年があけました。

いくつになってもお正月は、新しい白いページを開いたようなわくわくした気持ちになります。

 

良い年にできますように。

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メリークリスマス

じつはクリスマスはそんなに好きじゃなくて。

ケーキを食べる日、くらいの認識しかなくて。

パーティーやプレゼントとはあまり縁がないです。

 

でも、この時期のイルミネーションや町の賑わいは好きです。

昔は苦手だったけど、年々好きになっています。

寒くて長くて滅入りがちな冬の夜の気持ちを浮き立たせてくれる。

 

絵の題材としても夜の灯りは好きなので、毎年描いてみたくなります。

今年は大きなツリーを描きました。

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わたしのお気に入り展で作ったもの

もう終わってしまったけど、私のお気に入り展の時に、こんなのつくって置いてたの思い出したのでご紹介。

気に入ってお持ちいただいた方、名刺と一緒に受け取っていただいた方、ありがとございました。

30枚くらいプリンターで印刷したけど、残り数枚です。


自己紹介がわりの、今回描いたお気に入りの一覧表みたいなものです。

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「わたしのお気に入り」ポスター展終了しました。

千駄ヶ谷ランドリーグラフィックスギャラリーの、私のお気に入りポスター展、無事終了しました。

ご覧いただいた皆様、ありがとうございました。


なんといってもデザイナーと組んでB2のポスターを作るという経験が刺激的でした。

いままで本や雑誌の印刷しか視野になかったので、大きなポスターでのデザイナーの方々の仕事が拝見できて、様々な新しい印刷の技術のお話も興味深かったです。

他の参加イラストレーターの方々ともお話しできてそちらも刺激になりました。


私のイラストレーションは小口智也さんにポスターにしていただいたのですが、中央が鏡になっています。

個人的なお気に入りの物が賑やかに散らばる中央には鏡、見ている人の顔が写る位置です。その中心に「あなたのお気に入りはなんですか?」


「嫌なことがあったり気持ちが塞いだ時、他愛ないけど大切なお気に入りの物を思えばやり過ごせる」という、「My Favorite Things」の歌詞が大好きなので、それを思いながら、他愛のない日常のお気に入りを描きました。


あなたの日々の憂いをやり過ごすための、お気に入りはなんですか?


おまけ。

せっかくなので、鏡に写ってお気に入りに囲まれて記念撮影をしました。

もうちょっとちゃんと顔が入るようにして撮ったらよかったかな。

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わたしのお気に入りいろいろ

来週30日から12月5日までの、千駄ヶ谷ランドリーグラフィックス「私のお気に入り展」に参加します。


「My Favorite Things」をテーマにした KONTAさんのライブのポスターを作るということなのですが、個人的なFavoriteをたくさん散りばめた、ひっくり返したおもちゃ箱みたいなものを作ろうというデザイナーさんの提案があってひたすらものすごく個人的な「私のお気に入り」を描いてました。

こんな私の生活感満載の他愛ないビンボくさい物ばかり集めて、ポスターどうなっちゃうんだろうとドキドキしてたら、すごいのできましたよ。

とても美しいしとても楽しい。デザインの魔法ってすごいなと思いました。

せひ実物をみていただきたいです。


で、予告編として原画の画像を。

見に行って、これがああなったのか!と驚いていただけたらと。


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そして装画の練習

この前の挿絵の練習の続きです。MJイラストレーションズの課題。


そもそもカポーティーの「冷血」を読み始めたのはギャラリーハウスマヤの装画コンペの課題図書だったから、でした。

他の読んだ事のある課題がいまひとつ乗り気になれなくて、ぐずぐずして諦めかけて、読んだ事のない冷血を読み始めたのが締め切り10日前。思いのほか面白かったので何か描いてみようと思って描いてコンペに出したのがこれ。

いろいろ資料を検索してる時に出て来た、当時の地元紙の紙面を元に描きました。


事件そのものよりも、事件の動揺で、小さな村の一軒しかないカフェで噂や憶測が飛び交って、村の人達が疑心暗鬼になっていくという描写がリアルで印象に残ったので。

コーヒーカップの跡がついたカフェの古新聞のイメージ。

2日くらいで描きました。


描き上げてから、ふと、これ装画としてはどうなんだろ?と思って。

なんか方向誤って頑張ってしまったような気もしたんですが、時間もないしとにかくそのまま持って行って、やっぱりそのまま落選しました。

残念。


次に描いてみたのがこれで。

惨劇の夜のクラター家のイメージ。穏やかなインディアンサマーの続く11月、満月の明るい静かな夜。

秋楡の並木の向こうの白い大きな農家。


静かで明るい怖さをイメージしたんだけど難しい。

そしてもう一枚、二人組の犯人の、どこか歪な印象のシルエットを描き入れてみたくなって風景に足してみたのがこれ。

でも、これはちょっと蛇足だった気がします。

描かないほうが良かったな。




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